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僕の好きな作家さんである橘玲さんの著書『永遠の旅行者 上』『永遠の旅行者 下』を読み、読書の秋として夜更かしを堪能させてもらいました。
2022/09/29、読了🇯🇵『永遠の旅行者 下』(幻冬舎文庫, 橘玲, 2008)
😂海外法人を活用した話はまだ理解が追いつかない
😂PT(Perpetual Traveler)詳しくというよりはサスペンスでハラハラさせられっぱなし
😂「日本人として」「日本で暮らして」「日本で働く」に悶々とする気持ちが高まる https://t.co/1qphSYmpI1— Shohey🇯🇵日商簿記2級勉強中 (@ShoheyBlog) September 29, 2022
本書のテーマは「ある資産家が日本国に税金を払わずに孫に財産を相続させたい」です。これに絡めて、日本国に税金を払わない一般庶民レベルの「個人」の生活ってどんなものだろう?と考えてみたので記事にします。
本記事の内容とわかること
- 国税を払わない「個人」とは?
- 国税を全く払わないのは不可能
プロフィール
前提と目標
- 日本に住んでいる「個人」が前提
- 国税の支払いを極力避けるのを目標
備考
- 脱税などを推奨する記事ではありません。
- 本記事は2022年10月現在の税制度を参照しています。税制度の確認はしていますが、漏れがあるかもしれません。
参考書籍
- 『永遠の旅行者』(幻冬舎文庫, 橘玲, 2008)
- 『税務署が嫌がる「税金0円」の裏ワザ』(双葉社, 大村大次郎, 2013)
- 『相続税を払う奴はバカ!』(ビジネス社, 大村大次郎, 2018)
- 『やってはいけない老後対策』(小学館新書, 大村大次郎, 2018)
- 『税金を払わずに生きてゆく逃税術』(悟空出版, 大村大次郎, 2018)
- 『サラリーマンと事業者のための逃税スキーム 消費税を払う奴はバカ!』(ビジネス社, 大村大次郎, 2019)
要点:無理、消費税は払うしかない
2022年10月現在、「個人」が国税を”全く”払わないのは無理。できるだけ払わないようにする”節税”は可能です。まずスーパーへ買い物をして支払いに消費税10%が含まれていますね?。消費税は間接的に払う国税なので、この時点で避けられないはずです。
国税に分類される税金は以下のようなものが主に挙げられています。地方税(都道府県や市区町村)も併せて表記します。
国税 | 地方税 | |
---|---|---|
所得税 | – | |
法人税 | – | |
相続税 | – | |
贈与税 | – | |
消費税 | – | |
酒税 | – | |
たばこ税 | – | |
自動車重量税 | – | |
住民税 | – | |
事業税 | – | |
固定資産税 | – | |
地方消費税 | – | |
自動車税 | – |
参照:財務省
この記事では「国税」を避けることを目標とし「地方税」は極力避けられればというスタンスとします。日常生活のなかで買い物や支払いをすれば巡り巡って国税を払うことにつながると思いますが、直接的に支払いを避けるなら?と考えました。
それでも「国税」を全く払わないのは日本に住み続けるうちは無理かと思います。
理由:消費税以外は避けられる?
僕ら一般庶民の日常生活で「国税」を払うのは消費税が特に多いですが、それ以外は稼ぎすぎずに酒やたばこをせず資産3,000万円未満に抑えれば達成できそうです。消費税によって「国税」の支払いが発生するのはあきらめましょう!
では消費税以外は払わない節税ライフスタイルとはどのようなものか。作ってみたので見てみましょう。
具体例:質素倹約ミニマリスト生活
お金の目安
1日8時間を週5日といったフルタイムで稼ぐから「所得税」が発生しますし、酒やたばこを嗜むから「酒税」や「たばこ税」を払うことにつながり、たくさん財産を残すから「相続税」が発生してしまうわけです。それなら、これらの税が発生しない生活にすればいいんです。
ずばり、質素倹約なミニマリスト生活が解決策でしょう。
- 収入:最大103万円/年
- 出費:最大8.5万円/月
- 資産:最大3,000万円
- 投資:非課税のNISAのみ
※わかりやすさ重視のため収入は給与1種類とする
給与年収103万円未満なら控除の範囲内(給与所得控除55万円+基礎控除48万円)に収まり所得税は発生せず、生活費として1ヶ月最大85,000円を使えるはずです。資産3,000万円未満ならご家族が相続をしても相続税は発生しません(相続する人数が1人なら3,600万円までOK)。非課税制度のNISA制度(つみたてNISA)なら株式売却の利益に課税されずに資産を増やすことができるはずです。
この収入であれば、国民年金保険料の支払い免除、国民健康保険税は年2万円前後、住民税は非課税で0円となるはずです(住民税はお住まいの自治体によって条件が異なる場合があります)。
あとは自家用車を持たず(自動車税なし)マイホームも持たなければ(固定資産税なし)、自分自身が国税・地方税を直接的に払う機会はガクンと減るでしょう。公共交通機関(バス・電車・地下鉄・モノレールなど)が充実している都市部で賃貸生活をする感じでしょうか。
本記事の参考にもしている書籍『税金を払わずに生きてゆく逃税術』(悟空出版, 大村大次郎, 2018)に日本の消費税を払わずに物を買う方法として、個人輸入や国際空港の免税店での買い物が挙げられています。しかし、僕がこのブログで紹介している低資産セミリタイアのようなライフスタイルでは購入金額が大きすぎて無理です。普段は近所の100円均一で除菌シートを買ったりするような生活をする庶民生活ですからね。
「国税を払わない」ではなく「払わなくていい国税は払わない」の感覚で暮らしましょう。
質素倹約の注意
この質素倹約ミニマリスト(言い換えれば低所得者)は理論上は生活可能ですが、貯金のスピードはゆっくりになります。給与での年収103万円未満の場合、1ヶ月の生活費は最大85,000円です。生活費が月8万円なら残りの5,000円を毎月貯金に充てて1年で60,000円の貯金ができる計算です。
橘玲氏の『永遠の旅行者』を読み終えて、国税をできるだけ払わない「個人」の生活として質素倹約ミニマリストを考えてみましたが、貯金がしにくいというのは今の日本ではかなり大きな課題でしょう。実践するとなったら、初めから質素倹約ミニマリストになるのではなく生活防衛資金などを考慮して500万円くらい貯金を作ってからのほうがいろいろと安全でしょう。
なお税制度だけの話をすれば、給与1種類だけで103万円を稼ぐのではなく、開業して個人事業主になり給与よりも(しかし青色申告特別控除の範囲内で)稼ぐのが貯金不足の解決策につながるでしょう。
海外2週~4週滞在するなら…
なおこのShohey Blogの目標でもある海外2週〜4週滞在をするなら、消費税以外にも国税を払うことになります。それは「国際観光旅客税(出国税)」や「旅客サービス施設使用料(PSFC)」などです。「旅客サービス施設使用料(PSFC)」には消費税が含まれた状態で航空券購入時に請求されます。
2022年6月、僕は羽田空港とタイのスワンナプーム国際空港の往復の航空券を購入しました。貯めていたマイレージで購入したので運賃(航空券のみ)0円でしたが実際の請求では約2万円あり、内訳として、日本に払う「国際観光旅客税(出国税とも呼ばれる)」が1,000円、「旅客サービス施設使用料(PSFC)」が2,950円含まれていました。
「出国税」は今回ご紹介した「国際観光旅客税」と「国外転出時課税(資産1億円以上の人が海外移住)」の2種類を指しますので混同しないようご注意ください。2022年6月のタイのバンコク旅はこちらからどうぞ。
まとめ:質素倹約で給与年収103万円未満なら
橘玲氏の著書『永遠の旅行者』のテーマでもある相続税を払わないという点から、日本に住む「個人」が国税をできるだけ払わない生活を考えてみました。”全く”払わないのは無理です。一般庶民レベルなら質素倹約ミニマリスト(前向きな低所得者?)になって消費税以外の国税を払わない節税生活ができるかもしれませんが、貯金がしにくくなるのが課題です。海外にも行きづらいですしね。
現実的には500万円くらいの貯金を作ってから質素倹約ミニマリストになるほうが良いかと。貯金がそれなりにできるまでは税金を払いながら働いて貯めましょう…。
橘玲さんの書籍はお金と海外を絡めた小説が多く、ハラハラドキドキしながら日本の税制度を学べるので僕はすごく好きです。海外の街の描写もまるで現地にいるかのように感じさせてくれます。橘さんの本を通じて、有名人がどうして香港やシンガポールに行きたがるのか?それがわかります。おすすめです。