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年収300万円!?マイクロ法人社長と個人事業主のかけもちで働く

ShoheyBlog-BUSINESS-article-Japan rev20221011

この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。

 

高収入会社員
高収入会社員
収入が増えると払う税金も増える

 

これは良く聞く悩みですね。そんな税金に悩む人の解決策の一つの働き方は、

 

  1. マイクロ法人社長になる
  2. 個人事業主としても働く

 

この二つの掛け持ちです。二刀流とよく呼ばれてもいますね。本記事では社長と個人事業主の掛け持ちで年収300万円の人を例にメリットをご紹介します。

 

本記事の内容とベネフィット

  • マイクロ法人社長と個人事業主のかけもち
  • 収入を増やすならお得な方法で増やす方が良い

 

筆者情報

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参考

 

税制度の知識を用いる記事です。上記で紹介した参考書籍、動画、webサイトと内容が似通った箇所も多いかと思います。関係者様、パクってはいませんが本記事の内容修正が必要であればTwitterや問い合わせからご連絡ください。

 

備考

  • 本記事を書くにあたって僕自身もいろんな書籍やwebサイト、YouTuberさんたちの動画を見まくりました。「分かりやすく発信している人たちに対抗するような記事を僕が書くより、その人たちをおすすめした方がみんなハッピーなのでは?」と思ったので、情報源のURLへアクセスできるようにしてあります。直接見てくださいね。僕も生情報を見るように心がけています。
  • 本記事は、LIFESTYLE No.03「マイクロ法人社長 + 個人事業主」のWORKカテゴリーの記事です。自営業者になることで自分の時間をコントロールしやすい生活を作れます。これなら海外1ヶ月滞在する時間も作れますよ。

 

https://shoheyblog.com/lifestyle-03

 

 

マイクロ法人社長と個人事業主として働く

要点:いいとこ取りができてお得

  • マイクロ法人があると社会保険料をできるだけ低く抑えられる。
  • 給与所得と事業所得に対するそれぞれの所得控除のおかげでお得に手取りが増える。

 

同じ年収300万円なら、会社員一択よりも個人事業主一択よりもマイクロ法人社長と個人事業主のかけもちをする方が手取りが増やしやすいです。ちなみに、自分が作った会社の社長になるということは、その会社の社員になるという意味です。そう、会社員です。

 

この年収300万円とは、所得(利益)80万円のマイクロ法人と220万円の個人事業主の組み合わせです。年商(収入・売上)から経費を引いた後の金額が300万円という意味です。

マイクロ法人 個人事業主 備考、参考
売上 100万円 240万円 年商340万円
経費 20万円 20万円 人それぞれの金額でOK
所得 80万円 220万円 年収300万円

*経費20万円はおおよその設定。

 

 

理由:なぜ二刀流がお得なのか?

マイクロ法人社長と個人事業主のかけもちがなぜお得なのかと言うと、税制度が税金の種類によって異なるからです。下記の表をご覧ください。「どの自分」に対して「どの税金」を払うのかを知ると、支払う税金額が抑えやすくなります。

 

支払う税金の種類

マイクロ法人 社長 個人事業主
所得税
住民税(個人)
国民年金
厚生年金
国民健康保険
健康保険
法人税
法人住民税

*個人事業主としての所得は290万円以下なので「事業税」はなし。

 

マイクロ法人+個人事業
(給与+事業所得)
会社員のみ(給与所得) 個人事業主のみ(事業所得)
所得税
住民税(個人)
国民年金
厚生年金
国民健康保険
健康保険
法人税
法人住民税

 

自分が作った会社(マイクロ法人)の社長になると、自分の会社から給与をもらいます。その給与に対して厚生年金保険料と健康保険料を払います。残りの所得税と住民税は個人事業主として稼いだ利益に対して支払います。

 

マイクロ法人社長 個人事業主
紐づく税金 健康保険、厚生年金 所得税、住民税
節税のポイント 役員報酬を毎月45,000円までで抑える iDeCoや小規模企業共済掛金で節税と積立投資をする

 

それでは具体例を見ていきましょう。年収300万円からでも個人としてはお得に思えるかもしれませんよ。

 

 

具体例:「年収300万円」の例

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それでは、「年収300万円」の社長でもあり個人事業主でもある40代男性を例に見て見ましょう。「2021年から10年経って僕が40代になったら」という設定です。「年収300万円」を厳密に言うと、総売上高から経費(仕入れや事務所の電気代など)を引いた後の所得が合計で300万円の人ですね。

 

40歳しょうへい
40歳しょうへい
  • 40歳
  • 男性
  • 独身
  • 扶養者なし
  • 青色申告

 

前提

  • 完全一人会社、株式会社か合同会社かは問わず
  • 毎月2万円の小規模企業共済掛金(iDeCo含む)

 

表の色の意味

売上・収入
所得
控除になる支払い(税や経費)
控除にならない税金の支払い
支払いをせずに受けられる控除
利益や手取り

 

二刀流の「法人」

資本金300万円のマイクロ法人の年間収支
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金額 備考、参考
売上 ¥1,000,000-
経費 ¥200,000- *この段階で残80万円
役員報酬 ¥540,000- *月額4.5万円の給与
社会保険料(会社負担分)  ¥137,200- 介護保険第2号被保険者(令和2年度保険料額表)
利益(課税所得) ¥122,800- *これに税率をかける
法人税 ¥18,420 税率15%(国税庁 法人税の税率
法人事業税 ¥4,298- 税率3.5%(東京都主税局
消費税 ¥0
法人住民税 ¥70,000 法人都民税2万円 + 法人特別区民税/市民税5万円(東京都主税局
当期純利益 ¥30,082 *会社に残る最終利益

 

高収入会社員
高収入会社員
ふ〜ん、で、自由に使える手取りはいくらなの?
しょうへい
しょうへい
慌てなさんな

 

二刀流の「個人」

手取り(社長+個人事業主)、年225万円
個人としての手取り額
金額 備考
収入 ¥2,940,000- 給与54万円 + 事業売上240万円
経費 ¥200,000- 事業収入から引く
所得(売上 – 経費) ¥2,740,000- 給与54万円 + 事業所得220万円
健康保険料 ¥40,576- 合計¥491,200-

(社会保険料137,200円:健康保険料+厚生年金保険料)

厚生年金保険料 ¥96,624-
所得税 ¥35,300-
住民税 ¥79,000-
小規模企業共済等掛金 ¥240,000-
手取り額 ¥2,248,500- 月平均¥187,375-
しょうへい
しょうへい
手取り約18万円からつみたてNISA3.3万円を投資するとしたら、約15.5万円が最終的に毎月自由に使えるお金ですね

 

上記は手取り金額がどのくらいになるかの表です。下記は、個人の確定申告をするときの計算です。令和2年度で確定申告書を作成した場合のスクショもあわせて貼っておきますね。

 

個人としての所得税の計算式
社長(会社員) 個人事業主 備考、参考
収入 ¥540,000- ¥2,400,000-
経費 ¥200,000-
所得(暫定) ¥540,000- ¥2,200,000-
給与所得控除、青色申告特別控除 ¥550,000- ¥650,000-
所得 ¥0- ¥1,550,000- *事業所得にのみ課税
社会保険料控除 ¥137,200- *会社と個人で折半、介護保険第2号被保険者(令和2年度保険料額表)
小規模企業共済等掛金控除 ¥240,000-
基礎控除 ¥480,000-
課税所得 ¥692,000- *千円未満は切り捨て

 

個人としての確定申告(令和2年度)
ShoheyBlog LIFESTYLE No.03 Final Tax Return

 

ちなみに、同じ年収300万円を個人事業主としてのみで稼いだ場合の手取り額はいくらになるかも以下で見てみましょう。一刀流(?)とか片手剣(?)です。同じ条件として、小規模企業共済掛金(iDeCo含む)で毎月2万円を積み立てこととします。

 

一刀流の「個人」

手取り(個人事業主)、年214万円
shoheyblog company-individual-combination 04 rev1
個人としての手取り額
金額 備考
売上 ¥3,200,000-  
経費 ¥200,000-  
所得(売上 – 経費) ¥3,000,000- 会社員給与明細の「額面」に相当
国民健康保険料 ¥222,000- 合計¥853,480-
国民年金保険料 ¥198,480-
所得税 ¥62,000-
住民税 ¥131,000-
小規模企業共済等掛金控除 ¥240,000-
手取り額 ¥2,146,520- 毎月¥178,877-

 

参照:日本年金機構弥生 個人事業主のかんたん税金計算

 

毎月つみたてNISAで3.3万円を投資するとしたら、1ヶ月で約14.5万円が自由に使えるお金となる計算です。「マイクロ法人+個人事業主」より1万円少なくなる計算です。それにしても、「個人」だと支払う税金が高くなりますねえ。

 

上記計算なら、個人としての手取り額を考えると「年収300万円」で”マイクロ法人+個人事業主”でも”個人事業主”でもトントンくらいにはなりますね。

 

メリットと注意点

このShohey Blog目線で見る「マイクロ法人と個人事業主の二刀流」のメリットは下記2点です。

 

  1. 給与所得と事業所得の二つをお得に得られる
  2. 会社員であっても、自分が所有する会社の社員ならストレス少ない

 

「会社員は自分で選べることが少ない」なんてよく言われますが、自分が作った会社で社員が自分一人なら自分で決め放題でしょ?もちろん、これらのメリットを得るにはマイクロ法人でも個人事業主でも継続して売上を作ることが必要です。働くことに変わりはないです。なお、二刀流の注意点は、下記の事業内容と会計作業の2点です。

マイクロ法人と個人事業主の事業内容は別のものにしてくださいね。どちらの事業内容も「会議通訳」などとすると法人と個人とを別扱いしてもらえなくなるようです。

法人の会計も、個人事業の会計も自分一人でこなすことを前提にした働き方です。決算のやり方がよく分からなくて税理士さんに頼む場合は、依頼料も払える売上を稼いでくださいね。

ここで、僕も使っている会計ソフト「マネーフォワードクラウド」を紹介しておきます。普段の仕訳(売掛金100円/売上100円とかを記帳するやつ)をしておけば決算書などはクリック数回で完成します。クラウド型なので新しいパソコンに買い替えても使えて便利です。

 

 

 

まとめ:法人と個人の人格を活用すべし

Shohey Blog LIFESTYLE-No.03-WORK-CEO-freelancer-Boarding-pass

 

給与ももらって事業所得ももらう、支払う税金を抑えて手取りを増やすお得な稼ぎ方です。複数の事業を継続していければ実現できる方法です。個人事業主の方はこの方法を次の目標に置いてみてはいかがですか?

 

本記事はLIFESTYLE No.03「マイクロ法人社長 + 個人事業主」のWORKカテゴリーの記事です。自営業者になることで自分の時間をコントロールしやすい生活を作れます。これなら海外1ヶ月滞在する時間も作れますよ。

https://shoheyblog.com/lifestyle-03

 

 

ABOUT ME
Shohey
外国語ばかり勉強してきた30代の東京人。日本を拠点に海外でも暮らせる生活作りを発信します。

POSTED COMMENT

  1. まっつん より:

    記事解説ありがとうございます。とても勉強になります。マイクロ法人の売上について質問です。個人事業とマイクロ法人が別事業の場合、個人事業がマイクロ法人に外注作業を発注し、マイクロ法人が売上ることは税務上認められますか?

  2. まっつん より:

    記事解説ありがとうございます。とても勉強になります。マイクロ法人の売上について質問です。個人事業とマイクロ法人が別事業の場合、個人事業がマイクロ法人に外注作業を発注し、マイクロ法人が売上ることは税務上認められますか? 

    • しょうへい より:

      まっつん様

      コメントありがとうございます。
      ご質問の答えですが、詳しい税の話は税理士さんや税務署などへ問い合わせをするのが良いかと思います。なおインターネット上には、個人と法人の間での外注作業を発注するのが認められるかの事例も載っているようです。プロの方々の回答を参考になさってください。

  3. yari より:

    現在個人事業主ですが、法人化しようかと悩んでいましたのでとても参考になりました。
    質問なのですが、マイクロ法人からの報酬を45000円までで抑える、とありますが45000円の根拠を教えていだけますでしょうかm(_ _)m
    それ以上の報酬だと、逆に手取りが減ってしまう等のデメリットがあるということでしょうか?

    • しょうへい より:

      yari様

      ご参考になったようで良かったです。
      役員報酬を「月額4.5万円の給与」に設定した箇所ですよね。2021年現在、162.5万円までの給与に適用される給与所得控除額は55万円です。1ヶ月の役員報酬が4.5万円なら、年間で54万円です。つまり、年間の役員報酬(給与)が給与所得控除額55万円以下なのでこの給与から所得税を払う必要がなくなります。

      「個人」で払う税金を少なくするために、月額4.5万円に設定してあります。

  4. アキ より:

    マイクロ法人と個人事業主の2つの人格を持った場合、会計ソフトのおすすめはどこが良いでしょうか?あまり簿記の自信がなく不安です。
    よろしくお願いします

    • Shohey より:

      アキ様
      曖昧な答えになってしまいますが、アキ様が良いと感じる会計ソフトを使うのが一番良いと思います。僕はMoney Forward クラウド会計を使っていて慣れているのでブログでも紹介をしています。弥生会計、freeeに慣れた人ならこれらを紹介すると思いますしね。それぞれ1ヶ月無料で試すことができるので試してみるのが良いのではないでしょうか。

      簿記そのものの知識は日商簿記3級を学ぶのが確実かと思います。ブログのMONEYカテゴリーで日商簿記3級受験の記事も書いていますのであわせてご覧ください。法人でも個人事業でも売上金額がそれなりにあるのであれば、税理士さんに依頼をするのも検討してみてくださいね。

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