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こんにちは、しょうへいです。
「英語ができる」という人がいた時、どんな人を思い浮かべますか?
ネイティブのようにペラペラと流暢に英語を喋る爽やかな高身長イケメンでしょうか?
本記事の内容
- 英語を学んできた人が入社した会社でよくある扱われ方
世間が持つ「英語ができる」に対するイメージと英語を学んだ人の悩みと僕からの細やかなアドバイスを織り交ぜてお伝えします。
想定する対象読者
- 学校での専攻や専門が英語の方
- 英語を学んできた入社1年目から5年目の方
- 外国語のスキルを持った人を新しく採用する予定の部署の管理職の方
この記事の前提
- 勤務先は日系企業、従業員の全員が外国語を使う訳ではない
- 自分の先輩や上司が外国語学習をそこまでしてこなかった
筆者プロフィール
なんとか新卒で日系の輸入商社に入社した時のTOEIC L&Rのスコアは870点。英語の発音は「基礎程度」はあったと思われます(先輩社員から発音矯正をさせらるようなことはなかったので・・・)。
要点
- 世間の「英語ができる」は「speakingができる」を連想している
- 外国語スキルがあるなら得意分野を作って強くなろう
「英語ができる」は「speakingができる」と解釈される
外国語をある程度学んだり使う環境にいたりした方々は分かるかと思いますが、現状の自分の外国語力に満足していますか?
していないと思います。
言葉は、学べば学ぶほど自分の現在のレベルがまだまだであると感じると思います。言葉は常に変化し続けるものですしね。
「英語ができる」は僕たちが言ったことや思っていることではなく、僕らの周囲の方々が捉えたイメージ・解釈である場合が多いです。
多かれ少なかれ「英語を勉強した」というのは、
- ネイティブが使うような英語を
- 流暢に
- 話す
と解釈されやすいみたいです。
言葉を勉強するのは「聴く」「話す」「読む」「書く」の四つの力を高めることですが、そのうち「話す」が特にイメージしやすい力であり「話す」行為は「言葉を勉強した人の姿」であると思われます。
「話す」力は軽視されやすい?
個人的にも悔しいことがあります。
せっかく頑張って身につけてきた「話す」力は会社の中では軽視される場合がしばしばあります。特に通訳行為を行う時です。
外国語力のある人材を必要とする会社ということは、輸入や輸出など海外取引がある会社のはずです。コミュニケーションでは大抵の場合は英語が使われ、そこでは、取引先担当者と社内関係者との間の通訳が必要となることも多いはずです。
行為と人を一緒くたにされた「通訳」
「通訳」という言葉は、通訳行為ですか?それとも通訳行為をする人ですか?
比較してみましょう。
「翻訳」という言葉は、翻訳行為ですか?それとも翻訳行為をする人ですか?
翻訳する人のことは「翻訳者」や「翻訳家」などと呼びますよね?では、通訳する人を「通訳者」と呼ぶ方は身近にいらっしゃいますか?
僕の経験では、通訳者という言い方をしてくださる方はかなり少数です。
「英語ができる人」の解釈で「ネイティブのような英語を流暢に話す」を連想される。その「話す」力を特に使う通訳行為をする人は「通訳者」ではなく「通訳」と呼ばれる。
最終的には自分が気にしなければいいのですが、非常にレベルの高い英語力(特にspeaking)を期待される割にはその力を使う通訳行為は低く扱われやすいです。
通訳行為をしてきた者としては残念です。
通訳は簡単?
基礎英語を身につけてさえいれば通訳はすぐにできると思われることもあります。
間違いです。
下準備をするかしないかで通訳の出来栄えは90%近くが決まると言っても過言ではないです。
少々極端な例ですが、海外取引先とテレビ会議をしている場面を想像してみてください。
僕らは今、社内の関係者が発言する日本語を海外取引企業の担当者に英語へ通訳する立場にいるとします。その社内の関係者は僕らとは違う部署に所属していて馴染みのない製品の設計担当の方であると仮定しましょう。あまり馴染みのない製品に関して下準備なしでその場で通訳しようとした場合の聞こえ方はこうなります。
訳せません。もはや宇宙語です。
通訳は、聞いた言語をそのままただ別の言語に訳せばいいと思われることがあります。
しかし、実際は通訳する話の内容に対する知識・知見がある程度もしくは発言者と同等以上でないと、発言者が意図した内容で訳すことができない場合がほとんどです。
お互いに普段から、且つ、前もって準備をしましょう。
急に押し付けられるような会議通訳なら・・・断っちゃいましょう。
なお、この例のような場合の解決策は大きく二つです。両方実施するのが効果的です。
- 通訳者:訳す内容の理解力を日常的に高める(製品知識を高める)
- 発言者:初心者にも分かりやすい言葉にハードルを下げて話す
英語以外の力が身についても給料は変わらない
会社の中で数年働き続ければそれなりにその作業や会社、業界知識、顧客や製品情報にも詳しくなります。基礎英語力に加えて自分で発信する力もついてきます。実力もついて外国語力も既に身についている。素晴らしいですよね。
ですが、お給料が上がるわけではありません。
例外はもちろんありますが、そもそもお給料は僕らの経験やスキルが反映されているわけではありませんからね。勤務先の中で定められた給与体系に沿って従業員へ毎月支払われているだけです。スキル・能力・成果に必ずしも連動しているわけではないです。
外国語力もある方が直面しやすい悩みのはずです。
分かりますよ。仕事の内容の割には給与が相対的に見合っていないんですよね。語学以外の力も備わると給与に不満が出るのは当然だと思います。
解決したいのであれば、給与交渉をするか転職をするかの二択ですね。
余談 -振り返ってみて思うこと-
僕の就職活動の時のことです。基礎英語力以外に特に秀でたスキルも知識もない状態の当時大学生だった僕をポテンシャル採用してくれたのはやはりありがたいことでした。1社目の会社さん、ありがとう。
新卒一括採用は企業にとっても個人にとっても博打的な要素はやはりありますよね。
まとめ –通訳も担当する会社員の悩み-
英語を例に外国語を勉強してきた会社員が経験しやすい社内での悩みをまとめました。
- 周囲の「英語ができる」の解釈レベルが高すぎて恐ろしい
- 「通訳者」と言わない日本語の慣習と扱われ方に嫌気が差す
- 語学力と給与が連動しないことにある時点で悩む
英語を始めとした外国語を使うことは当たり前と捉える世代が増えれば、こういった悩みも解消されていくことを個人的に期待しています。
これから入社する方は、いつか来るであろう感覚として参考にしてください。
今現在この悩みを持つ方は、下記のどれかしらを試してみてください。
- 給与に不満がある場合は、現在の勤務先に給与交渉をする。
- 扱われ方に不満がある場合は、日々、啓蒙活動を実施する。
- いずれも改善せず不満が溜まる一方の場合は、転職などをお勧めします。他人を変えるより自分を変えたほうが早いです。「いつか良くなる」は望み薄です。