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小規模な者には、小規模な者なりのやり方というものがあります。税金や老後資金も同じです。1年のうち1ヶ月くらいは海外滞在するような年収300万円の自営業者がまとまった老後資金を作るなら、iDeCo(確定拠出年金個人型)の制度を使ってうまいことやりましょう。
本記事の内容とベネフィット
- iDeCoで作る1,370万円の受け取り方
- 小規模な自営業者は制度をうまく活用するのが生き方
筆者プロフィール
備考
- 当ブログでは資金拘束のない資産形成制度である「つみたてNISA」を優先して取り組むことをおすすめします。
- 本記事は、LIFESTYLE No.03「マイクロ法人社長と個人事業」のMONEYカテゴリー記事としても執筆したものです。
項目 | 内訳 | 指標 | 達成 |
---|---|---|---|
LIFESTYLE | No.03 | (下記の達成) | |
WORK | マイクロ法人 | 設立 | |
個人事業主 | 法人より稼ぐ | ||
MONEY | iDeCo | 始める | |
小規模企業共済掛金 | 始める | ||
RELATIONSHIP | 外国人との恋愛 | 認識する | |
TRAVEL | IELTS | 6.5 |
iDeCoで1,370万円の老後資金を作ろう
要点:毎月2万円を積み立てて1,370万円を作る
iDeCo(確定拠出年金個人型)は、「積み立てを20年以上続ける」と決めた自営業者なら老後資金を作るちょうどいい制度になるでしょう。
iDeCoの概要は、iDeCo公式サイトなどを直接ご覧ください。解説しているYouTuberさん達の動画も今はたくさんありますので、このShohey Blogでは概要の抜粋のみとします。元の情報源はよ〜く読んでくださいね。
iDeCo(イデコ)の概要
○ iDeCo(イデコ)は、自分が拠出した掛金を、自分で運用し、資産を形成する年金制度です。掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができます。
- ※60歳になるまで、原則として資産を引き出すことはできません。
○ 基本的に20歳以上60歳未満の全ての方(※)が加入でき、多くの国民の皆様に、より豊かな老後の生活を送っていただくための資産形成方法のひとつとして位置づけられています。
- ※企業型確定拠出年金に加入している方は、企業型年金規約でiDeCoに同時加入できる旨を定めている場合のみiDeCoに加入できます。
参照:iDeCo公式サイト
このiDeCo(確定拠出年金制度)を使って毎月2万円の積み立てをすれば老後の資金を用意しやすくなります。
理由:積み立て中も受け取り時も節税できてお得
毎月2万円の積み立てを30年間続ければ、節税も老後資金の用意もできてお得です。積み立てているその30年も節税ができるし、受け取る時も1,370万円を税金0で一括受け取りすることが可能だからです。
iDeCoの制度の中で積み立てるお金は、確定申告の時に「小規模企業共済掛金控除」として使うことができます。年間24万円を積み立てれば、その24万円を控除としても使えちゃいます。つまり、節税できる貯金になるわけです。
節税:積み立て時
老後と節税だけを考えればその通りです。しかしiDeCoの最大のデメリットは、資金が拘束されることです。原則、60歳になるまでは引き出しができません。老後のためにたくさん積み立てをできたとしても、今現在の生活で使うお金が少なくなるのは本末転倒です。
このShohey Blogで例とするiDeCoの毎月の掛金は、つみたてNISAの毎月の掛金3.3万円以下とします。なぜなら、自分の好きなタイミングで引き出せるお金の方を多くしておきたいからです。若いからだは若いうちだけです。過去の時間は取り戻せません。若いうちに使えるお金は使うべきです。
節税:受け取り時
基本的には、60歳になるまで働き続けiDeCoの制度で毎月積み立てることを前提としています。60歳になれば積み立てたお金を引き出すことができます。
大切なのは貯めたお金の引き出し方です。なぜなら、引き出し方によって税金を払う必要が出てくる可能性があるからです。iDeCoで貯めたお金の受け取り方はいくつかありますが、本記事では、一括で全額を受け取ること(退職所得)にします。
この受け取り方によって確定申告の時に「どんな種類の所得になるか」が変わります。一括で受け取ると退職金として扱われます。そのため確定申告では「退職所得」として申告します。年金のように2ヶ月に1回受け取る場合は公的年金と同じように「雑所得」として申告します。
ここで嬉しいお知らせです。20年以上積み立てを継続して作り上げたこの約1,300万円は、計算上、税金を払わずにそのまま1,300万円丸ごと受け取ることができちゃいます。退職金をもらうときに退職所得控除が適用されるからです。せっかく貯めた退職金だから税金を取りすぎないようにしてくれているわけです。
それでは実際に具体例を見てみましょう。
具体例:30歳から60歳までの30年間、毎月2万円
積み立て方
それでは、iDeCoで作った資産の受け取りまでのシミュレーションをしてみましょう。今回はLIFESTYLE No.03「マイクロ法人社長と個人事業主」を例にします。
西暦 | 年齢 | 行動 |
---|---|---|
2021年 | 30歳 | 積み立て開始、毎月2万円 |
2050年 | 65歳 | 積み立て終了 |
積み立て期間30年、投資額720万円が1,370万円になっている |
小規模企業共済と違って、iDeCoは掛金を自分が選んだ商品で運用します。そのため選ぶ商品によっては元本割れの可能性があります。本記事では毎月の2万円を下記の商品で運用する想定です。
証券会社 | 楽天証券かSBI証券 |
購入商品 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
積立金額 | 20,000円(毎月) |
手数料①:証券会社
楽天証券 | SBI証券 | ||
---|---|---|---|
加入時手数料 | 2,829円 | 2,829円 | iDeCo加入時 |
口座管理手数料 | 171円 | 171円 | 毎月 |
給付事務手数料 | 440円 | 440円 | 給付を受ける時 |
手数料②:購入商品
eMAXIS Slim全世界(除く日本) | ||
---|---|---|
購入時手数料 | なし | 買う時 |
信託報酬 | 0.1144%(実績は0.218%) | 運用中 |
信託財産留保額 | なし | 売る時 |
投資信託を購入するときに、目論見書と運用報告書を確認しましょう。特に、運用報告書に書かれている「1万口あたりの費用明細」にあるパーセンテージです。本当の費用が書いてあります。この「本当の手数料」が低いもののほうが良いです。
下記に「eMAXIS Slim 全世界(除く日本)」の目論見書と運用報告書の一部スクショを添付します。運用報告書に書かれている本当の手数料に赤枠をしておきました。商品概要と運用報告書に載っている信託報酬の違いをご自身でも確認してみてくださいね。
参照:目論見書20210127
参照:運用報告書
それでは、シミュレーションを見てみましょう。下記の前提をもとに3種類の金額を予想したシミュレーションです。なお、手数料は1年単位で計算した金額を表示しているので、あくまでも概算として捉えてください。
証券会社 | SBI証券 |
購入商品 | eMAXIS Slim全世界(除く日本) |
年利4%と想定 | |
毎月2万円(年間24万円) | |
積み立て | 開始:30歳(2021年) |
終了:60歳(2051年) |
- 運用益
- 手数料(証券会社)
- 手数料(投資信託)
運用益と手数料
参照:SBI証券のiDeCo
運用益(30年)
西暦 | 経過 | 年齢 | 投資額 ① | 運用益 ② | 総額 ①+② |
2021年 | 0年 | 30歳 | – | – | – |
2022年 | 1年 | 31歳 | ¥240,000 | ¥4,365 | ¥244,365 |
2023年 | 2年 | 32歳 | ¥480,000 | ¥18,502 | ¥498,502 |
2024年 | 3年 | 33歳 | ¥720,000 | ¥42,804 | ¥762,804 |
2025年 | 4年 | 34歳 | ¥960,000 | ¥77,677 | ¥1,037,677 |
2026年 | 5年 | 35歳 | ¥1,200,000 | ¥123,546 | ¥1,323,546 |
2027年 | 6年 | 36歳 | ¥1,440,000 | ¥180,850 | ¥1,620,850 |
2028年 | 7年 | 37歳 | ¥1,680,000 | ¥250,047 | ¥1,930,047 |
2029年 | 8年 | 38歳 | ¥1,920,000 | ¥331,611 | ¥2,251,611 |
2030年 | 9年 | 39歳 | ¥2,160,000 | ¥426,039 | ¥2,586,039 |
2031年 | 10年 | 40歳 | ¥2,400,000 | ¥533,844 | ¥2,933,844 |
2032年 | 11年 | 41歳 | ¥2,640,000 | ¥655,560 | ¥3,295,560 |
2033年 | 12年 | 42歳 | ¥2,880,000 | ¥791,744 | ¥3,671,744 |
2034年 | 13年 | 43歳 | ¥3,120,000 | ¥942,977 | ¥4,062,977 |
2035年 | 14年 | 44歳 | ¥3,360,000 | ¥1,109,860 | ¥4,469,860 |
2036年 | 15年 | 45歳 | ¥3,600,000 | ¥1,293,017 | ¥4,893,017 |
2037年 | 16年 | 46歳 | ¥3,840,000 | ¥1,493,100 | ¥5,333,100 |
2038年 | 17年 | 47歳 | ¥4,080,000 | ¥1,710,788 | ¥5,790,788 |
2039年 | 18年 | 48歳 | ¥4,320,000 | ¥1,946,784 | ¥6,266,784 |
2040年 | 19年 | 49歳 | ¥4,560,000 | ¥2,201,818 | ¥6,761,818 |
2041年 | 20年 | 50歳 | ¥4,800,000 | ¥2,476,652 | ¥7,276,652 |
2042年 | 21年 | 51歳 | ¥5,040,000 | ¥2,772,080 | ¥7,812,080 |
2043年 | 22年 | 52歳 | ¥5,280,000 | ¥3,088,926 | ¥8,368,926 |
2044年 | 23年 | 53歳 | ¥5,520,000 | ¥3,428,045 | ¥8,948,045 |
2045年 | 24年 | 54歳 | ¥5,760,000 | ¥3,790,330 | ¥9,550,330 |
2046年 | 25年 | 55歳 | ¥6,000,000 | ¥4,176,705 | ¥10,176,705 |
2047年 | 26年 | 56歳 | ¥6,240,000 | ¥4,588,136 | ¥10,828,136 |
2048年 | 27年 | 57歳 | ¥6,480,000 | ¥5,025,625 | ¥11,505,625 |
2049年 | 28年 | 58歳 | ¥6,720,000 | ¥5,490,213 | ¥12,210,213 |
2050年 | 29年 | 59歳 | ¥6,960,000 | ¥5,982,984 | ¥12,942,984 |
2051年 | 30年 | 60歳 | ¥7,200,000 | ¥6,505,067 | ¥13,705,067 |
※運用利回り4%を想定
証券会社 手数料(30年)
西暦 | 経過 | 年齢 | 加入時手数料 | 口座管理手数料 | 給付事務手数料等 |
2021年 | 0年 | 30歳 | ¥2,829 | ¥0 | |
2022年 | 1年 | 31歳 | ¥2,052 | ||
2023年 | 2年 | 32歳 | ¥2,052 | ||
2024年 | 3年 | 33歳 | ¥2,052 | ||
2025年 | 4年 | 34歳 | ¥2,052 | ||
2026年 | 5年 | 35歳 | ¥2,052 | ||
2027年 | 6年 | 36歳 | ¥2,052 | ||
2028年 | 7年 | 37歳 | ¥2,052 | ||
2029年 | 8年 | 38歳 | ¥2,052 | ||
2030年 | 9年 | 39歳 | ¥2,052 | ||
2031年 | 10年 | 40歳 | ¥2,052 | ||
2032年 | 11年 | 41歳 | ¥2,052 | ||
2033年 | 12年 | 42歳 | ¥2,052 | ||
2034年 | 13年 | 43歳 | ¥2,052 | ||
2035年 | 14年 | 44歳 | ¥2,052 | ||
2036年 | 15年 | 45歳 | ¥2,052 | ||
2037年 | 16年 | 46歳 | ¥2,052 | ||
2038年 | 17年 | 47歳 | ¥2,052 | ||
2039年 | 18年 | 48歳 | ¥2,052 | ||
2040年 | 19年 | 49歳 | ¥2,052 | ||
2041年 | 20年 | 50歳 | ¥2,052 | ||
2042年 | 21年 | 51歳 | ¥2,052 | ||
2043年 | 22年 | 52歳 | ¥2,052 | ||
2044年 | 23年 | 53歳 | ¥2,052 | ||
2045年 | 24年 | 54歳 | ¥2,052 | ||
2046年 | 25年 | 55歳 | ¥2,052 | ||
2047年 | 26年 | 56歳 | ¥2,052 | ||
2048年 | 27年 | 57歳 | ¥2,052 | ||
2049年 | 28年 | 58歳 | ¥2,052 | ||
2050年 | 29年 | 59歳 | ¥2,052 | ||
2051年 | 30年 | 60歳 | ¥2,052 | ¥440 | |
¥2,829 | ¥61,560 | ¥440 |
投資信託 手数料(30年)
西暦 | 経過 | 年齢 | 購入時手数料 | 信託報酬 ※ | 信託財産留保額 |
2021年 | 0年 | 30歳 | ¥0 | ||
2022年 | 1年 | 31歳 | ¥533 | ||
2023年 | 2年 | 32歳 | ¥1,087 | ||
2024年 | 3年 | 33歳 | ¥1,663 | ||
2025年 | 4年 | 34歳 | ¥2,262 | ||
2026年 | 5年 | 35歳 | ¥2,885 | ||
2027年 | 6年 | 36歳 | ¥3,533 | ||
2028年 | 7年 | 37歳 | ¥4,208 | ||
2029年 | 8年 | 38歳 | ¥4,909 | ||
2030年 | 9年 | 39歳 | ¥5,638 | ||
2031年 | 10年 | 40歳 | ¥6,396 | ||
2032年 | 11年 | 41歳 | ¥7,184 | ||
2033年 | 12年 | 42歳 | ¥8,004 | ||
2034年 | 13年 | 43歳 | ¥8,857 | ||
2035年 | 14年 | 44歳 | ¥9,744 | ||
2036年 | 15年 | 45歳 | ¥10,667 | ||
2037年 | 16年 | 46歳 | ¥11,626 | ||
2038年 | 17年 | 47歳 | ¥12,624 | ||
2039年 | 18年 | 48歳 | ¥13,662 | ||
2040年 | 19年 | 49歳 | ¥14,741 | ||
2041年 | 20年 | 50歳 | ¥15,863 | ||
2042年 | 21年 | 51歳 | ¥17,030 | ||
2043年 | 22年 | 52歳 | ¥18,244 | ||
2044年 | 23年 | 53歳 | ¥19,507 | ||
2045年 | 24年 | 54歳 | ¥20,820 | ||
2046年 | 25年 | 55歳 | ¥22,185 | ||
2047年 | 26年 | 56歳 | ¥23,605 | ||
2048年 | 27年 | 57歳 | ¥25,082 | ||
2049年 | 28年 | 58歳 | ¥26,618 | ||
2050年 | 29年 | 59歳 | ¥28,216 | ||
2051年 | 30年 | 60歳 | ¥29,877 | ||
– | ¥377,270 | – |
※信託報酬は、各年の総額(投資額+運用益)に実質手数料の0.218%をかけた金額とします
30年シミュレーション まとめ
収入 | ¥13,705,067 | 投資額 ¥7,200,000 |
運用益 ¥6,505,067 | ||
手数料 | ¥442,099 | 加入時手数料 ¥2,829 |
口座管理手数料 ¥61,560 | ||
給付事務手数料等 ¥440 | ||
購入時手数料 ¥0 | ||
信託報酬 ¥377,270 | ||
信託財産留保額 ¥0 | ||
手取り | ¥13,262,968 | 「退職所得」で非課税で受け取る |
受け取り方
積み立て開始から30年後には、約1,370万円になっている資産を一括で退職金として受け取ります。この1,370万円を受け取るときは税金など払う必要がありません。退職所得控除の額の範囲内だからです。退職所得控除額は下記の通りです。
退職所得控除
800万円 + 70万円 × (35年 – 20年) = 1,850万円
参照:国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
30年かけて積み立てたなら、退職金が1,850万円以下なら非課税です。iDeCoで作った総額は1,370万円なので非課税で1,370万円まるまる受け取れます。
これで預金口座の残高が一気に増えますね。60歳になる時には、つみたてNISAの運用でも1,000万円以上の資金が作れているはずです。iDeCoとつみたてNISAを合わせれば自助で2,000万円の資産を作ることができますね。
あとは僕らが60歳になった時代に「国民年金の受給開始年齢は80歳です〜」とかって改悪していないことを祈るのみ・・・。
FAQ -よく言われるiDeCoデメリットへの答え-
FAQ1
FAQ2
FAQ3
FAQ4
iDeCoを始める前に全体的にシミュレーションをすればOKなのでは?と僕は思いますけどねえ。やりたくなければやらなければいいわけですし。自分の人生ですからね、自分で判断していきましょうね。
まとめ:小規模なりに老後の資金は作れる
iDeCo(確定拠出年金)制度を使った老後資金作りをご紹介しました。毎月2万円の掛け金で積み立てを30年継続すれば、1,370万円の資産が作れる計算です。60歳受け取り時に1,370万円の退職金は「退職所得」で非課税で受け取って使いましょう。
60歳までの資金拘束という点には注意して、無理のない資産形成を!
本記事はLIFESTYLE No.03「マイクロ法人社長と個人事業主」のMONEYカテゴリー記事としても書いています。そのほかの記事もぜひご覧ください。
項目 | 内訳 | 指標 | 達成 |
---|---|---|---|
LIFESTYLE | No.03 | (下記の達成) | |
WORK | マイクロ法人 | 設立 | |
個人事業主 | 法人より稼ぐ | ||
MONEY | iDeCo | 始める | |
小規模企業共済掛金 | 始める | ||
RELATIONSHIP | 外国人との恋愛 | 認識する | |
TRAVEL | IELTS | 6.5 |
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