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『外国語学習に成功する人、しない人』と『科学的に正しい英語勉強法』の2冊を改めて読み終えました。数年前に初めて読んで、今回が2回目です。
書籍の要約ではなく、僕自身のこれまでの外国語学習のやり方を振り返りつつ今後も学び続けるならどのようにアクションするのが効率が良さそうかを記事にしました。幼児教育ではなく20歳以上の大人一人一人に向けた記事です。
何かしらの外国語を学んでいる・学びたい・うまくなりたいと思っている人たちにはどのように学ぶか、お金はいくらかかるのか、時間はどのくらい必要かがあらかじめ予想できるはずです。外国語学習にもQCDの視点です笑
本記事の内容とわかること
- 第二言語習得の振り返り
- 留学や語学教室は便利な環境
プロフィール
備考・参考書籍
- 書籍の要約ではありません。日本での外国語の学び方の提案を僕なりに落とし込んだ記事です。
- 『外国語学習に成功する人、しない人』(2013, 白井恭弘, 岩波書店)
- 『科学的に正しい英語勉強法』(2018, メンタリストDaiGo, DHC)
過去:東京でドイツ語
ゲーテ・インスティテュート
僕がドイツ語を勉強していたのは2012年秋から2014年夏までの約2年間でした。書籍『外国語学習に成功する人、しない人』と『科学的に正しい英語勉強法』を参考に、当時の僕のドイツ語勉強の環境をまとめると下記の表のようになります。
- 動機:初めてのヨーロッパに行きたい
- 言語:ドイツ語、日本語と遠い言語
- 方法:ゲーテ・インスティテュート東京に週1日通う
- 費用:369,000円〜
- 期間:約2年(22ヶ月)
2012年の秋、当時22歳だった僕は大学卒業後に輸入専門の商社に入社しヨーロッパの会社から商品を仕入れる仕事をしていました。まだヨーロッパへ渡航したことがなかったのでいつか旅行したいと思い続けていました。この時はまだヨーロッパへキラキラしたイメージを持っていてなんともウブな人間でした笑
また、知り合いがたまたまドイツが好きということを聞きヨーロッパ言語の中でドイツ語を選んだのがきっかけでした。商社の仕事でも一番関わっていたのはドイツの会社だったのでこれも何かのご縁だったんでしょうね。
書籍によると、動機が純粋な感情から来るのは長期的な言語習得にはプラスに働くようです。給与アップのためだけに勉強するよりも、素直な「行きたい」「〇〇したい」の気持ちの方が勉強は長続きしやすいようです。その点では僕の言語習得のモチベーションは常に純粋な思いからなのでちょっと嬉しくなりました。
気持ちの変遷
この記事を書いていて、2年間もゲーテ・インスティテュートのある青山一丁目駅に通い続けた自分すごいなあってなんだかしみじみしちゃいました。約2年間もドイツ語を勉強すると、「何のために学ぶの?」の動機が変わっていきます。
- 前半:ヨーロッパに行きたい
- 後半:クラスメートと勉強するのが楽しい
ゲーテ・インスティテュートでは1つのクラスの人数が10人くらいだったので、ほぼ全員と仲良くなっていました。10年くらい経った今でも当時のクラスメートとは集まる仲です。
で、ドイツ語の習得は?
旅行や出張で簡単なドイツ語を話すくらいはできるようになりました。お店で食べ物を注文したりトイレの場所を聞いたり。しかし!ミュンヘンやベルリン、シュトゥットガルトでは英語が流暢なドイツ人が多く僕がドイツ語を使う機会はぶっちゃけ多くなかったです笑
今後:東京で中国語?
大学での第二外国語として選んだ中国語、30代になり再び習いたい欲が湧いてきました。株式投資の世界でブームの対象になる株式が一周するように、僕が勉強する外国語は一周まわるのかもしれませんね。2023年現在、僕が中国語を学ぶ動機などは下記のとおりです。
- 動機:中国語を話し台湾や中国を旅したい
- 言語:台湾華語、共通の漢字をよく使う
- 方法:3ヶ月の短期集中で語学教室へ?
- 費用:教室なら1ヶ月の予算3〜5万円?
- 期間:3ヶ月短期集中 + 独学を継続?
目標が「中国語での日常会話」であれば、どこかのタイミングで語学教室のように短期集中をしてレベルアップする環境を作る必要が出てくるはずです。オンラインよりも対面式の方が僕は好きです。大量のインプットとアウトプットの機会、間違いを訂正してくれる先生、勉強仲間、こういった環境は独学で作り込むのもそれなりに大変ですからね。お金を払って環境作りをする方が楽です。3ヶ月間、週末に教室に通うこの案でQCD(品質、値段、納期)を考えるなら、
- Q:中国語の語学教室 + 独学
- C:語学教室に9万円〜15万円
- D:3ヶ月の教室 + 独学を継続
※学習者が感じる自分の語学力を無理やりグラフ化
これくらいの費用や時間をかけて中国語での日常会話や現地の人たちとの触れ合いに価値を見出せるか!?それは僕次第ですし、あなた次第ですね。中国語に限らず、日本で対面式の語学教室に3ヶ月くらい通う場合はだいたい同じような費用になると予想されます。この期間は勉強を優先し他の趣味やお金がかかることはよ〜く検討しましょう。
ご参考あれ。
提案:短期集中と継続
フルタイムであればパートタイムであれ期間限定であれ働いている人が外国語習得をするのであればおそらく「短期集中と継続の繰り返し」が現実的な学び方になると僕は思います。僕の中国語(台湾華語)の勉強の予想をもう一度見ます。
- 動機:中国語を話し台湾や中国を旅したい
- 言語:台湾華語、共通の漢字をよく使う
- 方法:3ヶ月の短期集中で語学教室へ?
- 費用:教室なら1ヶ月の予算3〜5万円?
- 期間:3ヶ月短期集中 + 独学を継続?
動機と言語は人それぞれ好きに設定しますが、方法・費用・期間は「短期集中と継続の繰り返し」がなんだかんだ言って選ばれやすいと思います。その理由は、外国語習得だけをず〜っとは優先できないだろうからです。20代、30代、40代へ年齢が上がってくるとそもそも仕事で疲れ切っていたり、転職や子育て、家族の介護、メンタル不調などなど集中するべき人生のイベントが発生しやすいです。その時に外国語の勉強もやってあれもやってこれもやってと全てをこなすのはおそらく無理です。
例えば、3泊4日の台湾旅行を予定する人(動機)が、中国語・台湾華語(言語)を学ぼうとします。日本にいるうちに短期集中勉強として、対面式の中国語教室に通い3万円と1ヶ月間を使います(方法・費用・期間)。その後は自宅で独学を続けて、いざ台湾旅行で勉強の成果を発揮し楽しむ。こんな流れです。台湾旅行後もレベルアップしたいのであればまた短期集中の勉強をして独学を続ける。この繰り返しが良いかと。何年も通うのも楽しいですが、途中でだらける可能性もあります。メリハリをつける方が効果的かもしれません。
※学習者が感じる自分の語学力を無理やりグラフ化
人によって期間の前後差はあるかと思います。集中期間を1週間にする人もいれば1年間にする人もいます。学ぶ目的は少しずつ変化していくでしょうし、その時のご自身の状況に合わせて学び方をアップデートさせればOKです。
外国語習得での失敗
使わなきゃ落ちます
マジで、使わなきゃ落ちます。
Use it, or lose it.
僕が20歳を超えてからドイツ語を勉強し始めたからなのでしょうが、結局、習ったところで使わなければ語学力は落ちます。わりと「すぐに」です。脚の筋力も語学力も使わないとすぐに細くなります。例えば、12週間の独学や短期集中の後に学ぶことを止めたら最高地点のレベルから少しずつ落ちます。
※学習者が感じる自分の語学力を無理やりグラフ化
「外国語を」から「外国語で」
僕がこれまでに習ってきた(少しでもかじった)外国語は合計で6個です。
- 英語(アメリカ英語)
- 中国語(北京語、台湾華語)
- 韓国語
- スペイン語
- ドイツ語
- タイ語
「これらの言語を」学んだ経験はありますが、「これらの言語で」何かを学んだのは英語だけに絞られるかもしれません。高校や大学で用意されている外国語の授業では「使える」レベルになるにはインプットの量は少なすぎます。さらに、僕が陥りがちな失敗は「その言語を学んで終わり」になることです。
外国語習得の情報を上級者(特に欧米圏の文化を持つ人たち)は「外国語を勉強する目的は、コミュニケーションのため」とはっきり言葉にしているのを見聞きします。ほんと、これなんですよ。この目的を見失ってしまって手段(言語を学ぶ)が目的になってしまうのは勿体無いんですよね。もちろん本人が学ぶこと自体に満足感があれば良いんですけどね。
基礎の段階では「外国語を学ぶ」でOK、基礎ができてきたら「外国語で〇〇を学ぶ」にレベルアップさせていくべきなんです。僕が興味・関心ある分野は、税金やFIRE・筋トレ・体作り・各国のニュース・時間のゆとりがある生活です。お金と健康と生活ですね。こういうのを話せるアジアン・イケメンになりたいです。
〇〇語で | 〇〇を | 学ぶ |
英語で 台湾華語で |
英語を 台湾華語を |
学ぶ |
↓ | ||
お金を 健康を ニュースを |
きっと少数派の20%
僕の肌感覚ではありますが、外国語を継続して勉強する日本人(日本で暮らす人)は人口のせいぜい20%ぐらいなんじゃないかなあ、と思います。「2:8の法則」と呼ばれる「パレートの法則」ではありませんが、いろんな物事では100人中20人はやるし80人はやらないにだいたいは収まるような気がします。
このブログでも紹介し続けているパスポート保有率やNISA口座利用者数でも、人口の約20%がパスポートを保有、同じく人口の約20%がNISA口座を証券会社で開設済みです。いくら良いものや良い制度があっても利用してくれるのはせいぜい20%なんです。
きっと外国語を勉強する人も日本の人口の20%くらいだろうと感じます。100人中20人が第二言語習得に興味を持ち、さらにその20人の割合として20%から30%が男で残りの70%から80%が女のような気もしています。僕が大学の英文学科での男女比は3:7から4:6、ドイツ語とスペイン語の教室でも男女比はだいたい3:7でした。詳しいデータなどお持ちの方は教えてください。
日本に住む100人(僕の予想)
外国語の勉強 | 男女比 | ||
---|---|---|---|
する 20人 (20%) |
男 | 6人 (30%) |
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女 | 14人 (70%) |
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しない 80人 (80%) |
– |
仕事で外国語を使う人はもちろん一定数いるはずですが、自主的に学ぼうとする人たちは日本では多くないはずです。もし学ぼうとしたら自分の語学力の伸びに不安を感じたり周りと比較もするでしょう。2週間や1ヶ月、3ヶ月の短期集中で一気にレベルアップするのが効果的なはずですが、そのためには費用や時間、優先順位が必要になってきます。
- 資金を「増やす」ために投資する
- 宿題をやるのに時間を優先的に使う
- パスポートは10年有効を発行しておく
- 海外メディアでニュースを見る習慣作り
- 海外旅行のためにエポスカードを発行する
少し調べればこうなるはずなんですよ。現状維持しかしない人間の方が日本では多いんです。NISA口座数もパスポート保有率も20%と低いこの日本で外国語を継続して勉強する・外国語を使うことを継続するのはたくましい少数派です、本当に。仲間ができたら大事にしましょうね。
まとめ:短期集中と継続の繰り返し
書籍『外国語学習に成功する人、しない人』と『科学的に正しい英語勉強法』を読み返し、あらためて、外国語の勉強をするときの心構えをまとめました。
良い勉強の方法を模索する前に、なぜ勉強するか?勉強しやすい環境作りは?などを見定めておくほうが勉強を継続できそうか予想がつきそうですね。コミュニケーションを目的にするなら、1ヶ月から3ヶ月くらいの短期間集中に3万円や10万円くらいをかけて一気にレベルアップするのが効率が良さそうです。お試しあれ。