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海外移住、中長期の滞在を狙う僕らの界隈に衝撃のニュースが舞い込んできました。マレーシアに10年滞在できるビザMM2H取得条件の改悪が発表されたのです。あくまでも現時点の情報ですが、この発表は本当に衝撃的です。
マレーシアは2006年から14年連続でロングステイ希望国ランキング1位に選ばれていました。今回の発表はこのランキング1位の座が変わりうるくらいの衝撃です。MM2Hビザを使ったマレーシア移住の計画は練り直しが必要かもしれませんね。
参照:ロングステイ財団調べ『ロングステイ希望国・地域 2019』
本記事の内容とベネフィット
- マレーシアMM2Hビザの改悪発表
- 東南アジアはもう安くは済まないのかも
筆者プロフィール
参考サイト
- 在マレーシア日本国大使館
- グローバルプロパティ株式会社
- FMT Malaysia My Second Home to resume in October
- The Star Malaysia My Second Home to be reactivated with changes, says Home Ministry
備考
- 本記事は2021年8月16日現在の情報を参考にしています。
要点:MM2H改悪でマレーシアの魅力が減る
既にMM2Hビザを持っている人やビザ取得の仲介業者さんが変更前と後の内容をまとめてくれています。本記事では2021年8月16日時点のグローバルプロパティ株式会社さんの表を引用します。
2021年8月にこのビザの申請条件を変更するとマレーシア内務省から発表がありました。その変更内容がエグすぎてこれからもMM2Hビザを申し込める人は少なくなるのでは?と海外移住思考の界隈で騒がれています。
これまでは、このMM2Hビザの申請数1位は中国、2位が日本、3位がイギリスだそうです。
He said, so far the top 10 countries with the highest number of applications for the MM2H programme are China (with 1,000 applicants), Japan (more than 200), the United Kingdom, Bangladesh, Korea, Singapore, the US, Australia, Taiwan and Indonesia.
※MM2H取得者数 日本。グローバルプロパティ株式会社の表を参考に筆者(僕)が作成
理由:必要なお金が多すぎて旨みが減った
今までMM2Hビザを知らなかった人は「従来」の申請条件のハードルの低さに驚いているのではないでしょうか。必要なお金がわりと少ないですよね。このハードルの低さがMM2Hビザの魅力だったのですが、今回のマレーシア内務省の発表でその魅力が消えそうになっています。
この発表が実行されれば今現在MM2Hビザでマレーシアに暮らす外国籍の人たちの数は将来減るはずです。東南アジアのこの手の発表は変わりやすいので申請条件はアップデートされるとは思いますが、僕らは現状の発表をもとに計画を練り直す必要がありますね。下記は影響を受ける人のフラグ表です。赤色の第3と第4のフラグに影響ありです。
フラグ | 目的 | 国 | 旗 |
---|---|---|---|
第1 | 国籍 | 日本 | 🇯🇵 |
第2 | ビジネス | 日本 | 🇯🇵 |
第3 | 居宅 | 日本、マレーシア | 🇯🇵🇲🇾 |
第4 | 資産運用 | 日本、マレーシア | 🇯🇵🇲🇾 |
第5 | 余暇 | (自由) | ? |
第6 | 寄付 | (自由) | ? |
*木村昭二さんの著書『終身旅行者PT 資産運用、ビジネス、居住国分散 ―― 国家の歩き方 徹底ガイド』を参考に作成
予想:MM2Hが欲しい人と持っている人の今後
インターネット上で検索するだけでも、MM2Hビザが欲しい日本人にも色々いることがわかります。
毎月の収入40,000リンギット(約100万円)を超える人たちがどの程度いるのでしょうか…。(僕の勝手な予想ですが)金銭だけなら上位2割はOK、下位8割はNGってところですかね。2021年8月11日日付のThe Starの報道によると、MM2Hビザを保有している人は57,478人いるそうです。2割は11,496人、8割は45,982人です。激減しますね…。
日本人のMM2Hビザ取得者数(グローバルプロパティ株式会社を参照)は2002年から2018年までで合計4,778人いました。目的は違ってもMM2Hビザを狙う日本人に共通している考え方として、主に下記の3つが挙げられると僕は思います。
- アジア圏
- 英語が学べる
- 物価や費用が安い
これら3つの前提が揃う国はマレーシア以外ならフィリピンくらいでしょう。他に候補に挙がりやすいシンガポールは物価が高いのでNGです。しかし、MM2Hビザの申請条件が値上がりするならシンガポールとの違いもなくなってしまいます。
希望条件 | 従来条件 | 新条件 |
---|---|---|
アジア圏 | ||
英語が学べる | ||
物価や費用が安い |
物価や費用が安いという前提条件が崩れてしまっては本末転倒です。旨みがなくなるのでマレーシア脱出組が増えるでしょう。MM2Hビザを狙っていた人たちも既に持っているホルダーさんたちの大多数も、今後は次の3つのいずれかを選ぶことになるはずです。
選択肢
- 日本に留まる、または、帰国してくる
- 隣国のタイやフィリピンでノマド引退生活
- アジアを諦めて物価の安い欧米に移住する
余談:僕はMM2Hは申請しません、というか、できません
改めて2021年8月現在の新しいMM2Hビザ申請条件を見てみましょう。
はい、無理です。こんなにお金ありません泣
僕をはじめとした純金融資産3,000万円未満のマス層・サイドFIREには月収100万円以上が条件のMM2Hビザなんて無理です。日本人パスポートなら観光ビザでマレーシアに90日滞在ができますし、一度出国して再入国すればさらに90日の滞在が可能になります。これでも十分すごいです。
参照:株式会社野村総合研究所
やはり日本で暮らして、仕事をして、資産形成をして毎年1ヶ月くらい観光ビザで海外に行く。これが現実的です。そんな僕らの6つのフラグは下表の通りです。
フラグ | 目的 | 国 | 旗 |
---|---|---|---|
第1 | 国籍 | 日本 | 🇯🇵 |
第2 | ビジネス | 日本 | 🇯🇵 |
第3 | 居宅 | 日本 | 🇯🇵 |
第4 | 資産運用 | 日本 | 🇯🇵 |
第5 | 余暇 | 台湾 | 🇹🇼 |
第6 | 寄付 | (自由) | ? |
*木村昭二さんの著書『終身旅行者PT 資産運用、ビジネス、居住国分散 ―― 国家の歩き方 徹底ガイド』を参考に作成
このライフスタイルなら第5のフラグ「余暇」をどの国にするかが人によって異なるだけです。サイドFIREは時間の余裕が生まれるので、あとは生活費や旅行費用をどのくらいにするかを決めればOKです。僕は東南アジアと欧州に定期的に行ければ楽しめそうです。
まとめ:MM2Hの改悪、またアップデートされるだろう
2021年8月11日、マレーシア内務省からMM2Hビザの新しい申請条件が発表されました。2021年10月以降の申請から適用されると言っていますが、COVID19蔓延の対応もある現状では、申請条件も開始時期も改められると予想されます。
今後のアップデートを待ちつつもマレーシア以外の移住先を考えていくしかないですね。もしくは日本に留まるか。移住組のみなさんどうしますか?はてさて。