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結局コロナ三昧のまま2020年は終わりそうですね。同じ国にいても離れていて会えない人たちも多いでしょう。違う国に住んでいる人となら尚更です。
会いたいですよね、ハグしたいですよね。今回はコロナで改めて思い知らされた国際カップルに必要なものについて記事にします。
本記事の内容とベネフィット
- 国際カップルに必要なものは愛と〇〇
- 外国籍の人との恋愛では国の制度の理解が重要になる
筆者情報
備考
- 性の多様性が広まっている現代ではありますが、本記事の中では異性愛者(男と女)と同性愛者(男と男、女と女)というくくりで書いています。あらかじめご了承ください。
- 具体例として台湾と日本の制度を挙げています。制度は2020年12月時点のものを参考にしています。最新情報は常にご自身でご確認ください。
国際カップルに必要なものは愛と〇〇
要点:必要なものは愛と〇〇
ずっとそばにいたいと願う国際カップルが必要なものは、愛とビザです。この二つがセットでないと、そばにいられなくなる場合があります。
理由:なぜ愛と〇〇が必要?
国籍の異なる国際カップルでは、大抵、どちらかが「外国人」だからです。
これは常に悩みの種になるものです。例えば、冒頭で登場した日本国籍の女性の場合、フランスでは「外国人」です。なぜならフランス人(国籍)ではないからです。
フランス人ではない「外国人」がフランスに長期滞在するには許可が必要です。それがビザ(査証)です。ビザがなければ日本国籍の人は90日以上のEU加盟国の滞在はできません。
そして今年2020年は新型コロナウイルス(COVID19)が世界中で蔓延していて本国に帰国せざるを得なくなった人たちが多数います。その理由は、滞在国に長期滞在できるビザを持ち続けることができなくなったからです。
「愛は国境を越える」なんていう言葉を耳にした人はいると思いますが、「愛だけでは国境を越えられない時がある」ことも一緒に覚えておいてくださいね。
それでは、ここからは異性愛者と同性愛者の国際カップルを例にビザの大切さを見ていきます。例として、台湾で暮らしていきたいカップル(男と女、男と男)の設定です。
具体例:台湾で暮らす国際カップル
台湾滞在には大きく4種類のビザがあります。下記の引用をご覧ください。
- 停留ビザ:滞在期間180日以内の短期ビザ
- 居留ビザ:滞在期間180日以上の長期ビザ
- 外交ビザ
- 儀礼特別ビザ
日本国籍であれば、台湾への観光滞在は90日以内ならビザなしで可能です。観光は1の停留ビザに、現地就職や配偶者ビザなどは2の居留ビザの分類になります。大抵の人は1か2を使うことになるはずです。
尚、本記事ではビザランを使用しないこととします。台湾の場合のビザランは、観光ビザで台湾へ入国し90日を過ぎる前に台湾から出国し再度入国することで滞在日数をまた0から数えることです。つまり、実質90日以上の滞在をビザなし(観光)で行うことです。
具体例では、できるだけ一緒に居続けることを優先するため正規のビザあり前提とします。
台湾で暮らす異性愛者の国際カップル
これくらいの中国語(北京語)なら僕も使えますよ。
異性愛者の国際カップル(台湾人と日本人)が台湾で生活をするとしましょう。ビザが必要なのは台湾では「外国人」になる日本人の彼氏さんです。180日以上の長期滞在が可能になるビザはいくつかあります。
- 学生ビザ
- 就労ビザ
- 居留ビザ(配偶者のビザ) など
台湾で学生をしたり現地に就職したりすれば「外国人」であっても長期滞在ビザが得られます。また、彼女さんが台湾現地国籍なので結婚をすると彼氏さんは居留ビザを得られるので、これによっても彼氏さん(夫)は長期滞在ができます。
ここで一つ強調したいことは、彼女が台湾現地の人であることから得られるメリットが大きいということです。
「外国人」が長期滞在をする場合は必ずビザや永住権などが必要です。この彼氏さんが学生でないのであれば、現地就職などによる就労ビザが現実的です。しかし、彼女が台湾現地の人なので、結婚をして配偶者ビザを得ることも可能です。つまり、選択肢が広がります。
しかし、この考え方は次の同性愛者の国際カップルには2020年時点では通用しないんです。
台湾で暮らす同性愛者の国際カップル
台湾と日本の男同士のカップルとします。異性愛者のカップルと同じように台湾で暮らす場合、課題となるのは日本人男性側のビザです。この人の場合は現地就職等による就労ビザが現実的な唯一の選択肢となりやすいです。
なぜなら同性の国際カップルだからです。台湾をはじめとしてアジア圏は欧米ほど同性婚が普及していません。つまり、配偶者ビザを得ることができないのです。パートナシップ制度があっても「配偶者」と扱ってくれないのが痛いところです。
厳密に言うと、2020年時点の台湾では台湾人同士の同性婚は認めらています。しかし、下記の引用にある通り、パートナーが外国人の場合はそのパートナーのお国の事情にも注意しなければいけません。
また、同性パートナーが外国人の場合、外国人パートナーの母国が同性婚を認めている国でなければ、台湾で同性婚ができません。たとえば、台湾人と日本人の同性カップルの場合、日本ではいまだに同性婚ができないため、台湾で結婚することができないのです。同性婚が合法化されて1年が経った今でも、多くの同性カップルが結婚できずにいる事実に対し、同性婚と異性婚の「結婚の平等」が実現されるまで、声を上げ続けなければなりません。
同性愛者の国際カップルの場合は、日本人彼氏さんが就労ビザを更新し続けることができれば台湾に長期滞在可能です。ビザを発行してくれる会社で働き続けることが必要です。できなければ台湾から出国しないといけません。
新型コロナウイルスのような不況を招く事態が起きると仕事がなくなる可能性が高まります。同性愛者の国際カップルが同性婚の制度がない国にいる場合、経済的なダメージだけではなく現地に滞在することもできなくなってしまいます。
異性・同性愛者の国際カップルに必要なもの
上記の例で見たように、いずれにしても台湾で「外国人」となる日本人が長期滞在するにはビザが必要です。大抵は学生ビザや就労ビザが選択肢となるでしょう。
配偶者ビザが得られる異性愛者は将来的に選択肢が一つ増えますが、同性愛者は違います。残念ながら、2020年末時点の台湾では同性婚が認められていません。現地就職などがパートナーと一緒に長くいられる方法となってきます。
就労ビザ以外にも多額のお金を投資することで得られる投資家向けビザや現地で起業した人向けのビザなどがありますが、本記事では多数派となる就労ビザを例にさせていただきました。
国際恋愛は「国」の存在を良くも悪くも強く意識する必要があります。そういった視点をあらかじめ持ち合わせているかどうかもパートナー選びの時に考えてみてくださいね。
まとめ:国際カップルに必要なもの
グローバル化やインターネットの普及で人の価値観などは国を問わなくなってきました。しかし、国という地理的な境があるうちは国際カップルにとってビザの悩みは尽きません。
コロナのような事態で関係性が疎遠にならないように現地の制度を把握し続けましょう!