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2022年5月、岸田首相がロンドンの「シティ」で発言した「資産所得倍増計画」は具体案はこれから作られるようです。中身がはっきりしないうちは良いとも悪いとも言えませんし、そういった予想は専門家さんたちがしてくれるでしょう。
海外に数週間くらいは行こう〜という狙いのこのブログでわざわざ僕が共有しようと思ったのは、自分自身のお金のプランはありますか?ということです。
この記事の内容
- 老後のための資産作りをしたいんですか?今現在は?
筆者プロフィール
30歳のときにFP3級と日商簿記3級合格しています。つみたてNISAとiDeCoも経験済み。
備考
- 本記事は2022年6月1日現在の情報や報道を参考にしています。
資産所得倍増プランとは?
岸田首相の看板政策である新しい資本主義の柱は、株式や投資信託などの保有者が税優遇を受けられる「資産所得倍増プラン」だ。ただ、個人株主の割合は日本人全体の1割程度で、政策の恩恵は富裕層に偏りかねない。首相が昨秋の就任時に強調していた「格差是正と分配」からは大きくかけ離れた内容となった。(原田晋也)
参照:東京新聞
自分が働いて稼ぐ収入ではなく、(働いて貯めたお金で買った)株式から得る収入に対して払う税金を減らそうとするような流れですね。つみたてNISAやiDeCoといった20年〜30年後の将来のための資産作りを想定した制度をさらに充実させようとしているようです。
このブログ記事は老後の資産作りに対する僕の考えと問題提起です。
要点:あなたの希望は老後の資産でいいですか?
僕のこの文章を読んでいるあなたは60歳以上になったときのお金を貯めたいんですか?それが最優先ですか?
僕が強調したいのは「資産」と「収入」の時間軸バランスです。
例えば、60歳のときに銀行口座に2,000万円ができるなら30代も40代も50代もず〜っと1日8時間の週5日勤務がいいですか?本当は働いている今の段階で手取りを増やしたいのでは?
理由:NISAもiDeCoも将来の資産作りが基本
岸田首相が掲げる「資産所得倍増プラン」は、今現在、銀行口座にある預金で株式などを買ってもらうように促すのが基本のようです。そのためにつみたてNISAやiDeCoといった(たいていは)20年後の資産作りを狙いとする制度をさらに充実させるものと思われます。年金と同じようなものです。
20年後の貯金ができても今現在の手取りが少なかったり仕事ばかりで自由な時間が少なかったりはちょっと微妙ではありませんかね?
老後のためのお金も大事ですが、この瞬間の、この1ヶ月の、この1年の手取りも時間も欲しいんです!それが僕の希望です。将来の資産と現在の収入どっちもです。
具体例:欲しいのは資産と収入の両方です!
労働収入50:資産収入50
僕が提案するのは「50%労働収入:50%資産収入」を目指すスタイルです。サイドFIREのようなものです。年収100万円なら50万円を自分で働いて稼ぎもう50万円を株式などから得るものです。普段の収入とは別に、老後の資産作りにはつみたてNISA制度を使って投資信託の積み立てを毎月します。
収入 | 資産 |
---|---|
労働 | 国民年金 |
配当金 | つみたてNISA |
– |
※iDeCoは60歳まで引き出すことができないので利用しない考え
そもそも資産収入を得るにはある程度のお金を前もって貯めておくことが必要です(なんだか本末転倒な話になりそうですが…)。このライフスタイルをお金の表にまとめると下の二つのようになります。わかりやすさ重視で作成しました。
前提
- 労働収入と資産収入
- 貯金はつみたてNISAへ
※高配当株式もつみたてNISA活用も同時並行でするのが一般的になると思われますが、わかりやすさ重視の前提にしています
1ヶ月平均 | |
---|---|
収入 | ~ 13万円 |
税/支出 | ~10万円 |
残り/貯金 | 3万円 |
資産 | 負債 | ||||
預金 |
100 万 | – | |||
高配当株式 | 1,000 万 | ||||
投資信託 | NISA積立 | 純資産 | |||
合計 | 1,100 万 ~ | 1,100 万 ~ |
自分で働いて100万円を稼ぎ、高配当株式1,000万円から年間30~40万円の配当金をもらいます。労働100万円:配当金40万円は割合が70%:30%です。目標の「50%:50%」ではありませんが、個人差や多少の誤差はあって当然かと思います。この比率を年齢によって変えていけばいいかと思っています。
このスタイルなら(自分が超ストレスに晒されて週5日も働かなくても)配当金という定期的な安心収入もあるし、つみたてNISAで老後の資産も作れます。何より、若いうちに仕事以外のことをする時間を作れます。
資産所得倍増計画へのツッコミ
僕のような一般庶民の目線で現段階(2022年6月現在)で思うことを挙げます。批判だけするのでは生産的ではありませんが、一般庶民の声は大事かと思います。僕が受けている印象は、制度を活用できる知識と余剰資金がある人たちには嬉しい。しかし「高齢者の預金を市場に回して税収を増やしたいだけなのでは?」や「お金を回したいなら消費税を下げるほうが世代を問わずいいのでは?」です。
収入と資産
そもそも「資産所得倍増計画」の欠点は、資産所得を倍増させることです。収入が低くて株式などを買うための貯金が足らない人たちを無視することになります。下の二つの表をご覧ください。
収入と支出(損益計算書)の例
1ヶ月 | |
---|---|
収入 | 20万円 |
税/支出 | 15万円 |
残り/貯金 | 5万円 |
この表はわかりやすいですよね。月収がいくらだったか、いくらお金を使ったか、残ったお金はいくらかを表しています。婚活市場で気にされる「年収500万円以上が条件」といった広告代理店に踊らされる人たちがものはこちらです。気にする
赤枠の「税/支出」が増えているので青枠の「残り/貯金」が減っているのが昨今の日本の傾向です。(←政治家に対応してほしいのはここだと僕は思ってるんですけどねえ。)
この表の最後の「残り/貯金」の5万円が、次に紹介する表(バランスシート)の「資産」に入ります。
資産と負債(バランスシート)の例
資産 | 負債 | ||||
預金 |
5 万 | – | |||
株式 | – | 純資産 | |||
合計 | 5 万 | 5 万 |
バランスシートは、貯金や株式などがいくらあるか(資産)、住宅ローンや学生ローンなどの借金はいくらあるか(負債)、貯金から借金を引いたちゃんと手元に残るお金はいくらあるか(純資産)がわかります。収入も大事ですが、一般庶民はこのバランスシートの方が大事でしょう。年収1,000万円(収入)でも資産0円の人もいるでしょうし、年収300万円(収入)でも資産1,000万円の人もいます。
「年収〇〇円くらいです」と言えても「私の資産は〇〇円です」とは教えないですよね笑
岸田首相の言う「資産所得倍増計画」は、このバランスシートの資産の欄に「株式」を持とうとする人たち向けに制度を優遇させようという動きです。
つみたてNISAもiDeCoも将来の自分の資産を作るための制度です。株式を買う人たちにはとてもありがたい制度ではあるんですが、国民年金もつみたてNISAもiDeCoも老後のためのお金の準備です。
現在と老後
国民年金(厚生年金)もつみたてNISAもiDeCoもざっくり言えば将来のためのお金作りが目的です。言い換えれば、30代や40代での収入は自分の労働力のみということになりかねないです。これを超ざっくりグラフにしましたのでご覧ください。
老後の不安対策ばかりすると、現在(いわゆる60歳未満の現役世代)使えるお金も時間も減りやすいです。この考えに納得いく人はいいです。30代の僕は体力のある今のうちに仕事以外の時間も欲しいので賛成はできないスタンスです。
僕が20歳ぐらいで韓国旅行をしたときに偶然お会いした60代の日本人夫婦から「旅をするなら若いうちがいいよ」と人生のアドバイス(?)をいただきました。30代になってその言葉が身に染みます。「いつかやる」とか「将来やる」は一生来ませんね笑 やるなら今です!体力がある若いうちの方がいいです。だからこそ、配当金のように、今、収入をくれる株式を買います。
あなたの価値観にお金を
20年30年と人間生活をやっていると「こういうときが自分はリラックスできるなあ」とか「こういう場合は自分は嫌だなあ」とかがなんとなく分かってきませんか?僕は30年ちょっと人間をやってきて、「自分に選択肢がない状況はストレスだなあ」と感じることが分かっています。時間を決められないとか人間関係を選べないとかね笑
そういったストレスを減らせる生活をするにはどんなふうにすればいいのか?毎月5万円くらいの資産収入があれば生活費の心配はなくなるなあ、とか思います。自分の価値観があると、どんなふうにお金と関われば良いか少しずつ見えてきます。
制度も大事ですが、その前に、自分の生活にお金がどうあれば快適に感じるかを知る方が大事ですよ。僕ら一般庶民の手取りは無限じゃないんですから…泣
まとめ:欲しいのは資産?収入や時間?バランスを!
岸田首相の資産所得倍増プランの報道が増えているので、今一度、確認してほしいことを記事にしました。それは「あなたがしたい生活とそのお金」です。日本の税制優遇される制度を使うと老後の資産形成には便利ですが、老後のためだけでいいんですか?今は?
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