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英語を身に付けるのは当たり前のようになってきましたが、どの程度の英語を身に付けるかは人によって様々です。語学を中心に勉強してきたいわゆる語学系人材は時代の流れにも合ってお得感があるでしょう。
しかし、英語力がもてはやされる一方で、働く語学系人材には違う悩みが多々見受けられます。
本記事の内容とベネフィット
- 語学系人材に多い仕事上の悩み
- 「ただの英語の人」からの卒業
筆者情報
新卒で欧米メーカーと日系メーカーとの間で奮闘する商社に入社。営業が向いているスキルなのかどうかは分からないけど、良い経験でしたね。外国語の基礎授業ばかりを履修していた僕を新卒で採用してくれて感謝。
この記事の前提
- 日本国内で働くことを前提にしています
- 英語を使う仕事をすることを前提にしています
- 仕事上に絞った内容です、プライベートな場面は考慮していません
要点
英語よりもスキル、というよりは、英語もスキルも。
内容
組み合わせ
「やった!TOEIC800点超えた!!」
「アメリカへ留学をして異文化交流もできた」
英語が聞き取れるようになったり、テストの点数が上がってきたりするとどんどん楽しくなりますよね。数日なんかじゃあ全然伸びない語学にめげずによく頑張りましたよ!
それでは、そんな頑張ってきたあなたへ質問です。
「英語の勉強を頑張ってきたんですね。では、あなたは他に何ができますか?」
答えられましたか?
答えられたかもしれないし、答えられなかったかもしれませんね。もしくは、質問に怒った?悲しんだ?耳が痛い?許してくださいね 汗。読み進んでもらう前に確認しておきたかったので、こんな質問をさせてもらいました。
これは、日本の英語学習者によく起こる状況です。
英語を身につけたほうがいい、という意見に反対する人は今となっては少数派かと思います。テレビCMでもYouTube動画の広告でも、英語やTOEICのための教材紹介がされる毎日です。
僕を含め、英語を中心に勉強をしてきたいわゆる語学系の人達はそれなりにいます。英語需要が高まっている今の世の中では、僕らのような人間は、おかげさまで周囲から一目置かれる人気も実力も兼ね備えたキラキラ人材〜!
というわけでもないんですよねぁ、実際は。
なぜなら、大事なのは英語そのものではなく「英語を使って何ができるか」だからです。英語以外のスキルってやつです。周囲から良いように見られているかもしれない語学系人材ほどこの質問に不安を覚え納得しているはずです。「英語以外のスキルがなくて…」と悩む人達を僕もそれなりに見てきました。
他の語学系人材のあるあるはこちらの記事もどうぞ。
下の表をご覧ください。
僕が見てきた語学系人材とネット上で見かけるIT系人材の「スキル x 語学」の比較表です。分かりやすさ重視の表ですので、ご了承ください。
スキル | 語学 | |
---|---|---|
語学系人材 | – | 日本語、上級英語 |
IT系人材(ネットで発見) | プログラミング、動画編集 | 日本語、初級英語 |
実際、仕事上では、英語だけあっても限界がすぐにくるんですよね。働き出すとよくわかります。
英語を使って製造に必要な部品をアメリカから仕入れるとか英語を使って製品の不具合状況をドイツのメーカーと共有するとか、英語を使いながらやることがあるわけです。
営業をする人もいれば、設計・開発、調達、品質保証をする人達もいます。英語以外の知識が必要になります。つまり、英語以外の何かしらのスキルも必要だということです。
具体例
僕が今まで仕事上でお世話になった社内・社外の語学系人材を少し紹介します。
TOEIC最高870点、欧州への海外出張、来日対応等を経験してきた僕から見た彼ら/彼女らは、英語上手でした。文章は綺麗に書くし、英会話も相槌とか質問も上手で、丁寧な人が多かったですね。TOEIC800点以上の人もザラでした。
それなのに、仕事上で悩んだり自信が持てなかったりします。なぜか?「英語を使いながら何をするか」の「何」の部分が足りなくて、自分の知識やスキルを不安視していたからです。まさに下の表の通りです。
スキル | 語学 | |
---|---|---|
語学系人材(日本で働く) | – | 日本語、上級英語 |
海外で就職する場合は、英語は当たり前で、「何をする」をもって採用するかしないかの話となります。そのため、「スキル x スキル x 語学力」の組み合わせが必要となる、と仰る先輩方もTwitterで見かけます。
スキル | スキル | 語学 | |
---|---|---|---|
語学系人材(海外で働く) | ? | ? | 日本語、上級英語 |
英語が第二言語ではなく外国語(日常ではあまり使わない)として扱われる日本のような場所では、英語はまだスキルの一つと言えるでしょう。必要となってはいるけど、国内で英語を使える人材が多くないからです。
幸か不幸か、基礎英語ができていれば雇ってもらいやすかった時代だったと思います。特別なスキルないけれども基礎英語力があるのなら、雇ってから業務を覚えてもらえれば良いと思ってくれていた日系企業さんのおかげですよ。
英語を使う何かしらの仕事をする機会は多くなりやすいですし同僚から頼られやすくなったりもします(実体験)。しかし、自分自身である程度のめり込んだ勉強をしないで見聞きした知識やスキルには自信が持ちづらいことが殆どです。知識が浅すぎて更に不安が増すというね…。
2020年現在、僕の肌感覚では、「スキル x 語学力」は一般に浸透してきているなあと感じます。語学力推しな考え方も過去にあったと思いますが、「スキル x 語学力」や更には「スキル x スキル x 語学力」という、より高度なことがより当たり前に要求される価値観になってきたように思えます。
新しい価値観は数年も経てば当たり前に扱われてくるので、語学ファーストだった僕らも語学以外のスキルにさらに専念しないといけませんね。
確かに、語学には夢中になれたのに他のことだとそうもならないことってありますよね。そんな時は、、、「とりあえず試しに色々やってみるの精神」ですね。やってから判断です。
ストレス
語学系人材の声を代表して、ここで憂さ晴らしを少し。
こんな風に英語の勉強を頑張ってもこなかったような人が言うとカチーンときますよね笑 じゃあ、その「所詮ツール」ってやつをあんたは使えるのか!?あぁぁあ!?って笑
でも、事実ではあるんですよね。(語学好きにとっては「ツール」以上の価値がありますが)事実だから言われると悔しいっていうね。英語を勉強してきて、且つ、スキルや専門性を身につけた人から同じことを言われたら大体の人は納得しちゃいますからね。
おまけ
語学色の強い仕事は「ただの語学の延長の仕事」のように扱われる雰囲気が日本には根強い気がします。
通訳者や翻訳者は語学の勉強の延長線上にある仕事と思われているかもしれませんが、彼らも「訳す力 x 語学力」を組み合わせています。(本当は言葉の背景文化とか複数のスキルを組み合わせているけど)訳すというスキルと基礎以上の語学力を磨いています。
今後
英語ファーストで基礎英語を身につけてあるのなら、他のスキルと呼ばれる方に集中してみるのが僕らのやるべきことですね。「スキル x 英語」のうち英語は使い慣れているので、焦って急に自分を追い込む必要はないですからね。下の図のように少しずつ。
せっかく身につけた英語はおろそかにはしないでね!
まとめ
アイキャッチ画像:こうまる さん
英語できる人材万歳〜、といった広告がやたら多い昨今ですが、語学ファーストで勉強してきた人が陥りやすい悩みを紹介してきました。
- 仕事上では語学力のみでは限界がくる
- 自分の「スキル x 英語」の組み合わせを作る
- 複数のスキルの組み合わせが一般化してきている
コロナの影響で働き方も変化をせざるを得なくなった今、新しいことに取り組んだり専門性を深掘りする良い機会と捉えてみるのが良さそうですね。
僕?ファイナンシャルプランナー3級を学んで日本生活でのお金の基礎知識を身につけています。スキルになるかって?教養にはなります 笑