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外国人の同性パートナーと日本で暮らすなら!2021年のビザの現状

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この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

 

女性
女性
結婚して夫の国に移住したの!

 

駐在や現地就職、海外旅行が好きな人にもいらっしゃいますし僕の友達にも結婚を機に海外暮らしを始めた人もいます。

 

ただし、このような国際カップルは同性間では話が違います。日本に住みたい同性カップルは「家族」として日本で暮らせるのか。2021年8月現在の状況を見てみましょう。

 

本記事の内容とベネフィット

  • 外国人のパートナーと日本で暮らすためのビザ
  • 多様性の視点で日本は本当に「先進国」なのか知れる

 

筆者プロフィール

ShoheyBlog-LGBT-private-profile-insert-rev20221011

 

備考

  • 2021年8月現在で公開されている情報を参考にしています。
  • 本記事は外国籍の同性パートナーが日本に在留することに焦点を当てます。
  • 専門知識を要する内容が多いです。調べた上で本記事を書いていますが解釈違いなどがある可能性もあります。ご了承ください。

 

参考書籍

  • 南和行『同性婚 私たち弁護士夫夫です』(祥伝社、2015年)
  • 小島妙子『内縁・事実婚・同性婚の実務相談 多様な生き方を支える法律, 社会保障・税金』(日本加除出版、2019年)
  • 今井多恵子 坂和宏展 市川恭子 安井郁子 竹下さくら 『事実婚・内縁 同性婚 2人のためのお金と法律 ~法律・税金・社会保険からライフプランまで~』(日本法令、2015年)
  • 東京都弁護士会 性の平等に関する委員会セクシャル・マイノリティ プロジェクトチーム『セクシャル・マイノリティの法律相談 LGBTを含む多様な性的嗜好・性自認の法的問題』(ぎょうせい、2016年)

 

要点:外国籍の同性パートナーは配偶者ではない

2021年8月現在、外国籍の同性パートナーは「配偶者」として扱われません。なので、配偶者ビザと呼ばれる種類のビザを持つことができず、パートナーであるだけでは日本に在留することができないのが現状です。

 

この記事は「日本国籍と外国国籍の同性カップル」の話です。下記の図をご覧ください。このカップルの位置付けがわかります。

 

相手が日本国籍🇯🇵 相手が外国国籍🌏
自分が日本国籍🇯🇵 ここの話!
自分が外国国籍🌏

 

外国人のパートナーであっても異性愛者のカップル(男女カップル)なら配偶者ビザを申請することは可能です。その制度はあります。しかし同性カップルにはその適用はありません。

 

 

理由:日本は同性婚がない国、日本人に厳しい

日本国籍と外国国籍の同性カップルが「配偶者」として扱われない理由は、日本に同性婚の制度がないからです。2021年8月現在、法律上、結婚は男女の間でのみ有効なものであって、男男や女女の間には適用されません。つまり法的には「配偶者」と扱われていないので配偶者ビザと呼ばれるようなビザが適用されません。

 

外国人が日本人と婚姻している場合には、日本人の配偶者等という在留資格によって日本に滞在することができます。しかし、配偶者は、日本の法律で結婚が認められる配偶者に限ります。現在、日本の法律では、同性婚が認められていないため、日本人と外国人が同性婚の認められている外国で有効な婚姻をしたとしても、その外国人に日本人の配偶者等の在留資格は認められません。

参照:コンチネンタル国際行政書士事務所

 

つまり日本人の同性愛者は「自分の母国に外国人パートナーと引っ越す」のは簡単ではないんです。では別れるのか?いいえ、他のビザで日本に在留することができます。

 

先に答えを言うと、就労ビザで日本に在留するのが現実的でしょう。日本で就職してください、ってことです。日本人パートナーの配偶者として日本に暮らすのではなく、日本で働く一外国人として在留資格を得る方が確実です。

 

 

具体例:日本人と外国人同性カップルの在留パターン

就労ビザで在留するのが基本

コンチネンタル国際行政書士事務所さんの図を引用させていただきます。

 

参照:コンチネンタル国際行政書士事務所

 

上記の図の通り、日本人を相方にもつ外国籍の同性パートナーさん(図の左下)は「配偶者」としてのビザは申請できません。

 

同性婚がまだ認められていない日本で外国籍の同性パートナーとの生活を築きたいのなら、パートナーさんには働いてもらいましょう。就労ビザによる在留です。さらに、日本に連続して10年以上住んで犯罪を犯さないでください。そしたら永住権を獲得できるでしょう。

 

Shohey
Shohey
永住権があれば日本でずっと暮らせます

 

異性愛者カップル(男女カップル)ならできることが、同性愛者になるだけでできなくなる。残念ながらこれが今の日本の現実です。(心ない言葉をぶつけてくる一部の異性愛者と日本政府にイラつくこともあると思いますが)現時点で可能な手段を選ぶしかありませんね。

 

外国人が増えることへの一部の批判

2021年5月17日の報道によると、「外国籍の同性パートナー」へ配偶者ビザが検討され始めているようです。

 

政府は、同性婚が認められている外国で日本人と結婚した外国人同性パートナーに、日本での在留資格を認める方向で検討に入った。日本人が帰国した場合、パートナーに「特定活動」の在留資格を付与することを検討している。同性婚を認める国が増え、運用改善を求める声が出ていた。

参照:読売新聞オンライン

 

別の国で同性婚をしていることが前提のようですが、これは要チェックや!

 

このようなニュースには「日本に外国人をこれ以上増やすな」という声が上がることもありますが、悪いのは制度を悪用しようとする人たちです。外国人全員が悪いなんてことはないですし、日本人であっても悪い人は一定数います。

 

同性婚の外国籍カップルには認めるのに?

上記の図の「外国籍・外国籍カップル」を見てみます。図の右下です。

 

参照:コンチネンタル国際行政書士事務所

 

日本で働いている外国籍の人に外国籍の同性パートナーがいるとします。どちらかの国(本国)で同性婚をしていれば、日本にパートナーを連れてくることができます。その場合は「特定活動」が相手パートナーに与えられるようです。

 

「特定活動」では日本で労働はできないようですが少なくとも在留は可能となり、パートナーと離れ離れになることは無くなりますね。

 

これ、どう感じますか?同性婚を認めているその国の法律を尊重するという日本のスタンスなのでしょうけど、自国には同性婚は認めていないんです。どこか微妙な印象を受けませんか?自国民に厳しくありませんか?

 

同性カップルの居住地選び

国際恋愛の同性カップルにとって居住国選びは非常に大事です。住む国の選び方は大きく三つです。

 

  • 自分の国
  • 相手の国
  • 第3の国

 

望ましいのは自分の国または相手の国が同性愛に寛容な状態です。法的整備もされていればなお良いです。NPO法人EMA日本のデータによると、アジア圏で同性婚が認められているのは台湾のみです。

 

国名 法律施行日
1 オランダ 2001年4月1日
2 ベルギー 2003年6月1日
3 スペイン 2005年7月3日
4 カナダ 2005年7月20日
5 南アフリカ 2006年11月30日
6 ノルウェー 2009年1月1日
7 スウェーデン 2009年5月1日
8 ポルトガル 2010年6月5日
9 アイスランド 2010年6月27日
10 アルゼンチン 2010年7月22日
11 デンマーク 2012年6月15日
12 ブラジル 2013年5月16日
13 フランス 2013年5月18日
14 ウルグアイ 2013年8月5日
15 ニュージーランド 2013年8月19日
16 英国 2014年3月29日※
17 ルクセンブルク 2015年1月1日
18 米国 2015年6月26日
19 アイルランド 2015年11月16日
20 コロンビア 2016年4月28日
21 フィンランド 2017年3月1日
22 マルタ 2017年9月1日
23 ドイツ 2017年10月1日
24 オーストラリア 2017年12月9日
25 オーストリア 2019年1月1日
26 台湾 2019年5月24日
27 エクアドル 2019年6月12日
28 コスタリカ 2020年5月26日

参照:NPO法人EMA日本

 

ビザだけの視点なら日本と台湾の同性カップルは台湾で暮らす方が選択肢は広がるかもしれません。カップルのどちらも台湾国籍ではなくても台湾でカップル就職&移住するのも選択肢に入るかもしれませんね。

 

身近なアジア諸国とのカップルの例を見てみましょう。日本人が台湾、中国、韓国と同性婚をその国でできるかどうかの表です。

 

日華
🇯🇵🇹🇼
日中
🇯🇵🇨🇳
日韓
🇯🇵🇰🇷
自分の国
🇯🇵
× × ×
相手の国
🇹🇼🇨🇳🇰🇷
× ×
第3の国
🇪🇺🇺🇸🇨🇦

※2021年8月現在

 

台湾での同性婚が△なのは2021年1月の報道を考慮しています、これも期待ですね。

 

台湾の司法院(裁判所)は1月22日、台湾人が母国で同性婚が認められていない国の人とも同性結婚できるようにする法改正案をまとめたと発表しました。立法院(国会)で可決されれば、台湾人と日本人の同性婚も実現することになります。

参照:PRIDE JAPAN

 

アジアは欧米と違って同性婚に寛容ではない国の方が多いんです、残念ながら。こんな状況ならアジアで生まれても欧米に引っ越すことをあらかじめ考える人も増えるかもしれませんね。

 

Shohey
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人材流出ってやつです

 

この記事を読んでいる、自分または相手が日本国籍の同性カップルさん!もし日本で一緒に暮らすなら働きましょう。就職するのが手っ取り早いです。10年連続で日本に善良な市民として住めば永住権もゲットできるかもです。

 

 

まとめ:日本で暮らしたい国際恋愛の同性カップルさん、働こう!

同性カップルに対する法整備をただ待ち続けるより、今現在ある法の中で在留可能なビザを狙いましょう。シンプルなのは日本の会社に就職することです。

 

 

ABOUT ME
Shohey
外国語ばかり勉強してきた30代の東京人。日本を拠点に海外でも暮らせる生活作りを発信します。

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